オーストラリアでの生活環境と安全事情

オーストラリアは生活しやすい国と言われています。駐在員の赴任先としても人気が高く、住民の寛容さや異文化を受け入れる姿勢などから溶け込みやすいと言われています。では物価や生活費などの生活環境についてはどうでしょうか?

物価は日本と比べれば安いですが、ここ20年くらいの間に1.5倍以上も数値が上昇しており、かなり高い水準となっています。また大きな特徴は定価がなく、同じ製品でも価格にかなりの差があること。日本でも値引き合戦で似たような状況がありますが、こちらの方が定価が無い分判断が難しい面があります。なお、電化製品や車、嗜好品は日本よりも物価が高い傾向があります。

安全事情では置き引きの被害が多いものの、夜一人で出歩くといった無用心なことをしない限りはそれほど心配することはないようです。

医療事情について

オーストラリアの医療水準は日本と比較しても遜色なく高いレベルにあります。また医療設備も充実しており、恵まれた環境といえるでしょう。ただその一方、日本とは異なる医療事情があるのでその点の把握が欠かせません。

最大のポイントはホームドクター制となっていること。いわばかかりつけの医師を決める形なのですが、病気や怪我にあった場合にはまず一般開業医のもとで診察・治療を受けます。とくに専門の診療科を担当しているわけではなく、基本的な医療行為全般を行います。この一般開業医がより専門的な診察・治療が必要と判断した場合に専門医の紹介をしてもらうことになります。ホームドクターは大半が予約制であることも注意点です。

また日本でも進められていますが、医薬分業なので医師から処方箋をもらって薬局で薬を処方してもらう形となります。こうしたオーストラリアの医療事情と制度は訪れる前に確認しておきたいところです。

日本人街

オーストラリアは観光地として日本人におなじみ、毎年多くの日本人観光客が訪れていますが、それとは別に現地で居住する日本人が多い地域もあります。日本人街というほど大規模なところではありませんが、日本人が住んでおり、日常生活の中で出会う機会が多い場所があるのです。

まずビジネスの中心地シドニー。ここでは北部のノースに多くの日本人が住んでいます。他にもアーターモン、チャッツスウッド、ノースブリッジなどにも日本人居住者が多いと言われており、日系企業の店舗や日本食レストランなどが見受けられます。それからメルボルンでは東南部のサウスヤラなどに日本人居住者が多いと言われています。オーストラリアで暮らしたい場合にはこうしたエリアをまず候補にして詳しく調べてみるとよいのではないでしょうか。

駐在員の生活レベルについて

オーストラリアは日本のみならず世界の駐在員の間から人気が高い国と言われています。とあるデータでは駐在員の暮らし向き、生活レベルの高さにおいて6位にランクされています。同じデータで日本は13位ですから、なかなかよい環境が窺えます。さらに海外赴任で子供が育てやすい環境のランクでは3位にランクされています。

オーストラリア駐在員の生活レベルは収入や住居、自動車の提供といった企業が用意する部分だけでなく、現地の環境の面でも高いものがあるようです。とくに指摘されるのが地元住民の異文化に対する寛容さや外国人を受け入れる姿勢、職場での歓迎度が高く挙げられています。また日本に比べて職場の慣習の部分で働きやすく、溶け込みやすい点も評価されています。