オーストラリアといえば美しい自然、コアラやカンガルーをはじめとした豊かな動植物を連想します。ただそのイメージばかりが先立って人が暮らす社会としてどんな環境にあるのかなかなか知られていない面もあります。
オーストラリアは地球上に存在する6つの大陸を構成するひとつ。ひとつの大陸がそのままひとつの国になっている唯一のケースです。面積は約770万平方キロメートル、これは日本の約20.3倍の広さ、それでいて人口は2014年で2357万人。日本に比べて比較にならないくらい人口密度が低く、豊かな自然が残されていることがここからもわかります。
首都はキャンベラ。この点は東京一極集中の日本とは異なり、経済・文化の中心地と行政の中心地を分けているのが特徴です。キャンベラの人口は約38万人。
言語は英語、いわゆるオージー英語と呼ばれるもので、これさえ話せればほぼ全域でコミュニケーションが成り立ちます。一方、英語以外の言葉を使用している人口は189万人、全人口の19.3パーセントを占めており、英語以外で暮らしている人やバイリンガルが多いことも窺えます。ただ先住民アボリジニの言語が年々減少しているなどの問題点も抱えています。
オーストラリアは多民族で寛容な国柄と言われており、ヨーロッパ系の白人が約80パーセント、アジア系が12パーセント、アボリジニが2パーセント、その他となっています。移民も多く、流動性が高い社会といえますが、一方では現在でも白人至上主義が色濃く残っているとも言われています。宗教はキリスト教が約64パーセントと多数派を占めている一方、無宗教が20パーセント近くに達しているのも特徴です。